性暴力とは


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性暴力とは　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊フラッシュバック注意　

　現在、日本で犯罪を取り締まる法律である刑法（制定明治41年）には、「性暴力被害」および「性暴力被害者」の明確な定義はありません。「強制わいせつ罪」と「強姦罪」があるのみです。強姦罪は男性から女性へ性器の挿入を伴う暴力行為を定義したものであり、男児や少年が受ける性暴力は含まれていません。性器の挿入が行われたことを証明しなければ犯罪の立証は難しく、親告罪であることなどから、発生件数などの正確な把握も調査もできていません。

このサイトでは、望まない性行為を暴力や脅迫で強制すること全てが性暴力であり、性犯罪であると考えています。

具体的には、どのような行為があるのか整理してみたいと思います。

大人の受ける暴力

ドメスティック・バイオレンス（夫・恋人などの親密な関係にある男性から女性への暴力）

　「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」(ＤＶ防止法　平成13年4月13日に成立)が平成１３年１０月１３日に施行されました。
　この法律により、これまで「犯罪とまでは認識されていなかった」夫婦間の暴力が、はっきり犯罪として規定されました。

　夫婦間に存在する、身体的・精神的・性的・社会的暴力は、夫婦間暴力と規定され、被害者の救済のために必要な相談機関の設置や（いわゆる）加害者に対する接近禁止命令の申し立てができるようになりました。

身体的暴力	殴ったり蹴ったりするなど、直接何らかの有形力を行使するもの。刑法第204条の傷害や第208条の暴行に該当する違法な行為であり、たとえそれが配偶者間で行われたとしても処罰の対象になる。
身体的暴力	■平手でうつ　■足でける　 ■身体を傷つける可能性のある物でなぐる ■首をしめる　■腕をねじる ■刃物などの凶器をからだにつきつける ■引きずりまわす　■物をなげつける　■げんこつでなぐる ■髪をひっぱる
心理（精神的）暴力	心無い言動等により、相手の心を傷つけるもの。精神的な暴力については、その結果、 PTSD（外傷後ストレス障害）に至るなど、刑法上の傷害とみなされるほどの精神障害に至れば、刑法上の傷害罪として処罰されることもある。暴力を振るうとほのめかして、女性に恐怖感や不安感を植え付けることも心理的暴力にあたる。
心理（精神的）暴力	■大声でどなる　　　　 ■実家や友人とつきあうのを制限する　 ■電話や手紙を細かくチェックしたりする　　■拘禁・監視をする ■「誰のおかげで生活できるんだ」「かいしょうなし」などと言う ■何を言っても無視して口をきかない　　　■浮気や不貞を疑う。 ■人の前でバカにしたり、命令するような口調でものを言ったりする ■大切にしているものをこわしたり、捨てたりする ■子どもに危害を加えるといっておどす ■なぐるそぶりや、物をなげつけるふりをして、おどかす ■お前が悪いから暴力を振るうのだと、責任を転嫁する。
性的暴力	嫌がっているのに性的行為を強要する、中絶を強要する、避妊に協力しないといったもの。夫婦間性暴力としての判例もある。
性的暴力	■見たくないのにポルノビデオやポルノ雑誌をみせる　 ■いやがっているのに性行為を強要する　 ■避妊に協力しない　　■中絶を強要する
経済的暴力	経済的活動を制限したりコントロールしたりすること。
経済的暴力	■外で働くなと言ったり、仕事を辞めさせたりする　■生活費を渡さない
社会的暴力	身の危険を感じて家を出た場合、女性の方が住むところを失う。保険証の利用ができず、十分な医療が受けられない。など

　　「配偶者からの暴力被害者相談支援情報」（内閣府）の「いわゆる”DV”とは」を参考に加筆

強かん（強姦）

（強姦）第177条　暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、3年以上の有期懲役に処する。13歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。　

　　　＊法律上での「性交」とは陰茎を膣内に挿入する行為をさす（射精の有無には無関係）。
　　　＊年齢区分の意味満13才を「本人の自由な意志決定」可能年齢とする。
　　
男性器の挿入が認められない場合、男児や少年・男性が被害に遭った場合、現行の刑法では「強かん罪（強姦罪）」は適応されません（そんなバカな！）。
　　日本の刑法で認められれているのは、非常に狭い範囲の性暴力に過ぎません。
　　
　　　　　暴行や脅しを伴って行われる性的な行為は、全て性暴力・性犯罪です。

　　　　肛門性交・オーラルセックスの強要などは、広い意味での強かんにあたると考えます。

★オフィスサーブでは、漢字の持つ意味と言葉の意味合いの影響を考えて、「強かん」とひらがな
　表記することにしています。

セクシャルハラスメント・ストーキング

子どもの受ける性暴力・性虐待

「児童の権利に関する条約」では以下のことが禁じられています。（第34条）
　　　　　（a）不法な性的な行為を行うことを児童に対して勧誘し又は強制すること。
　　　　　（b）売春又は他の不法な性的な業務において児童を搾取的に使用すること。
　　　　　（c）わいせつな演技及び物において児童を搾取的に使用すること。

子どもへの性的虐待とは、子どもよりも年長の人が力関係を乱用し、子どもに性的に接触すること、あるいはかかわることすべてをさし、子どもを性的満足の対象として使うことです。　

虐待の中にはさまざまな行為が含まれます。「虐待」と訳される英語「アビューズ　abuse」を考えるとわかりやすいでしょう。これは、アブ・ユース（abーuse）という二つの要素からなります。ユースとは「使う」という意味であり、アブとは「～から離れた」という意味です。そこから、アビューズとは、「なにかを間違ったかたちで使うこと」なのです。子どもの虐待という場合、子どもを保護し、支援するために使われるはずの力を間違ったかたちで使うことを指します。
　　　　　　　　（「知っていますか？子どもの性的虐待　一問一答」田上時子・エクットジャパン関西編　解放出版社）

　「心理療法や児童福祉に携わる何人かの専門家の意見を総合すると、加害者が性的な動機を持って行う次のような行為は、すべて性的虐待にあたると考える必要がある。]
　
　　・服の上から、あるいは直接、子どもの性器、乳房、臀部、肛門などに触る、舐める
　　　（道具を使うことを含む）
　　・子どもの性器、乳房、臀部、肛門などを見る
　　・加害者の性器、乳房、臀部、肛門などを見せる
　　・服の上から、あるいは直接、加害者の性器、乳房、臀部、肛門などを触らせる、舐めさせ
　　　る（道具を使うことを含む）
　　・口腔・性器・肛門への異物や指などの挿入
　　・口腔と性器の性交
　　・肛門と性器の性交
　　・性器と性器の性交
　　・加害者がマスターベーション行為を見せたり、手伝いをさせる
　　・子ども自身にマスターベーションをさせる
　　・子どもに、他の人の性器、乳房、臀部、肛門などを触るよう強制する
　　・子どもの服を脱がせる
　　・子どもを被写体にしたポルノ写真やビデオを撮る
　　･子どもにポルノ写真やビデオを見せる
　　・子どもに性行為を見せる
　　・子どもが入浴したり着替えをしているのをのぞく
　　・子どもに性的なことばを投げかける　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（「子どもと性被害」吉田タカコ著　集英社新書）

忘れないで下さい。決して一人ではないことを。
忘れないで下さい。決してあなたのせいではないことを。